自由が丘の奇遇


東京は自由が丘。 お洒落な街。 

 私には縁もゆかりもない土地。 

 ここで飲食店をやっていた時のこと。 


 夜の部が始まり暫くしてひとりの女性が来店。 

お席にお通しした時に、お顔を拝見すると、どこかでお会いしたことがあると直感。

 オーダーをお伺いした時の声も聞き覚えがある!  

知り合いであることは確信しましたが、直ぐには誰なのかは思い出せませんでした。 


 一生懸命記憶を辿るもなかなか思い出せない。 

異性の方なので、気軽に「どなたでしたっけ?」なんて聞けない。 

せめて、場所や時期などある程度の材料がないと…。


 悶々としながら、約1時間。 


未だボケてはいませんでした!(良かった~)



 なんと、私がサラリーマンを始めた時のお取引先様の方だという事を思い出しました!

 当時は彼女も新入社員で企業同士のあるプロジェクトで一緒に仕事をした方だったのです! 


お連れさんも合流なさっていたので、お食事が終わるのを待って、会計の時に思い切って。

 「●●さんですよね!ご無沙汰してます」

 唐突に言われた彼女は面食らってました。 

変な誘導質問だと思ったのでしょう~即答はなさいませんでした(笑) 


 「長和です」 それでも、訝しげな顔は変わりません(^^;) 


すると彼女の方から「申訳ありません、勘違いではないですか?」


 「ずいぶん昔の事ですから、思い出せなくて当たり前です。竹芝で一緒に仕事させていただたんですが…」


 彼女の顔が一変しました。 

 「あー!!!直ぐに気が付かないでごめんなさい!」


 聞けば彼女はある大企業の副支店長まで登りつめてました。  

「凄いですね!あんな男社会で。頑張ったんですね!」と言うと 

彼女は少し恥ずかしそうに「はい」と。


 心底頑張ったんだなぁと伝わりました。


 昔話に花を咲かせるほどお互い耄碌してないので、このやり取りだけで十分でした。

 又お会いしましょうとお互い挨拶をして感動の再会を終えました。 


たまたま仕事で自由が丘に寄っただけで日頃は来る用事がない。 しかも、これだけ飲食店がひしめく中でたまたまウチに!


 こんな奇遇ってあるんですね! 

記憶の回路がつながり、それは25年前に遡ります。 

Hiroya Nagawa's Ownd

0コメント

  • 1000 / 1000